つれづれ製麺

好きな事を書いていきます。アニメの感想、小説、ゲーム(ソシャゲ除く)、ボカロなど。

読んだ本の感想 2021.9月分

涼しい日が増えて参りました。

さて、今月は読書に加えて二次創作の取材のためにゲームしたり、プロットのノウハウ本を取り寄せちょこちょこ学んでいる最中です。

読書、書く時間を決めることで相対的にゲームの時間が減り、固執度も下がるというありがたい状態です。

ゲーム、特にソシャゲは沼にハマると精神的に擦り減りますし躍起になると無理のある課金につながりますからね…。

 

 

※あらすじは全てAmazon/Kindle商品ページから引用しています。

Kindle、bookwalkerで読みました。

 

01.坊っちゃん 

https://t.co/a6m23WZ7gA

☆概要

江戸っ児をもって任ずる若い教師の坊っちゃんが、その一本気な性格から、いつわりにみちた社会に愛想をつかす。作品を一貫するものは、人間漱石が持って生まれた反俗と正義の心に外ならない。ロマンティックな稚気とユーモア、その歯切れのよい表現は、爽快さにみちている。明治39年ホトトギス」に発表。

 

感想

坊っちゃんが先生とは知らなんだ(あらすじに書いてあるのに)。結構ユーモアの効いた文章なんですが、ギャグも時代の違いで分からない部分が多かった…。坊っちゃんを敬愛する清お婆ちゃんが段々好きになっちゃう。

坊っちゃんはとにかく曲がったことの嫌いな真っ直ぐな性格で、いっそ清々しい。現代にもここまでの人間は中々いないのではなかろうか。魅力的な主人公によって繰り広げられる物語は必然として面白くなりますね。

中々悪役の根性が曲がってて逆に面白いです。後になってじわじわくる。

 

02.二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む 1 〜裏切り王女〜

https://twitter.com/ikstrn/status/1434062022069473282?s=21

あらすじ

勇者として異世界に召喚された宇景海人は、魔王を倒した後にパーティー全員の裏切りで殺される。その記憶と共に二度目の生を受ける海人。「必ず殺す。コイツら皆殺しだ。……さぁ、復讐の始まりだ」

 

感想

異世界復讐ものの原作を読むのはこれで初めてになりますね。一定の需要があるこのジャンルですが、中々匙加減が難しいのではないかと感じております。復讐を一貫するのは良しとしてもそれなりの理由付けが欲しいし、優しさと憎しみの両立(後者はヒロインを取り入れる時など)必要不可欠でしょう。

ミソとしてはやはり復讐が達成された時の爽快感なるものでしょうね。テンポが良ければすぐに気持ちよくなれますがそれはそれで展開が早すぎたりと難しいところではないでしょうか。

今作品は主人公の復讐に至る理由はちゃんとしていて、終盤の方では復讐のやり方を改めようという(無関係の人を感情的に巻き込まない)姿勢もありました。そこの面に関しては今後次第ですね。

奴隷を買ったりヒロインがすぐ惚れたりするのはまあよくあるやつです。

 

余談

復讐は何も産まないのでは?と考えなくもないですが、人間の感情や欲望ってそう簡単に抑え込めるものではないんですよね。

抑え込んでいたらそのうち壊れますからね。

 

03.乙女ゲーのモブですらないんだが 2

Amazon.com: 乙女ゲーのモブですらないんだが2【電子書籍限定書き下ろしSS付き】 (Japanese Edition) eBook : 玉露, 條: Kindle Store

☆あらすじ

あの庭師見習いとの最悪の出会いから一年。
公爵令嬢リュディアに決断の時が迫る。
「結婚をするなら、君がいい」。
アーベントロート国の王子からそう告げられ揺れ動いていた。
一方、イザークはようやく親しくなった彼女との時間が永遠じゃないと気づく。
主(あるじ)の幸せを願い、さらに体術や庭造りを特訓する! と誓ったが――
なぜか王族のパーティーでダンスを披露することに!?
「萼(うてな)の君」と評判が高まる彼の正装姿に、リュディアの心はますます定まらない。
だが、彼女が誘拐事件に巻き込まれたことで状況は一変!
最大の危機に駆けつけるのは誰なのか?
そして、ついに訪れる婚約決断の瞬間。
身分差のある恋の運命やいかに? 

 

感想

中々自覚しない恋心、かなり焦ったくありますがそれもそのはず。ヒロインの性格が根っこから真面目なんですよね。公爵という立場もありますし、加えて自分の感情を抑え込んだり認められなかったりしているように感じられました。(しかしその性格もあり公爵令嬢相応の振る舞いができていると感じました)1巻から気が付けなかったのかより顕著になったのかは分かりませんが。

起伏が緩やかですが、70%あたりの時点で風向きが変わります。そこのところがもっと前から積み重ねた(葛藤させる)上でキャラを動かした方が説得力があったかもしれません。

 

余談

2巻で終わらないですよね?新キャラもいますしこれからな感じです。しかし王子とヒロインの会話を見るに、どう展開していくのかと気になる。

ヒロインと主人公が結ばれて欲しいけど、王子と婚約しちゃうの?…というハラハラ感がウリとしたらどうなのかな?という気はするが、そもそも子供にどうこうできる話でもないよなあと。それに、乙女ゲームのメインヒロインまだ出てきてないからなあ。これからが本番感。

 

04.花園に来たる嵐 

I BELIEVE IN MY SISTER Hanazono (Japanese Edition) - Kindle edition by Yumemi Esora, sheepD. Romance Kindle eBooks @ Amazon.com.

☆あらすじ

全寮制の女子高で起きた「殺人事件」と「権力抗争」……
そんな嵐の中を、少女たちが奔走していく。

良家出身の「華族派」と、一般家庭出身の「市民派」の2つの派閥がある女子高。
そこで生徒会長を務める市民派の染井佳乃は、以前から仲違いをしていた華族派の副会長・弥江咲良から
「生徒会長にふさわしくない」と糾弾され、会長の職から追放されそうになる。
二人の争いは『生徒会桜戦争』と呼ばれ、学校中を巻き込んだ大規模な派閥争いに発展していく――。

そんな中、校内で一人の生徒が殺害されてしまう。
しかも彼女は『桜戦争』に深く関わっていた……。

責任を感じた佳乃は『桜戦争』に奔走しながら、
クラスメイトで幼馴染みの白根葵と共に事件を調査することに。

2つの嵐が巻き起こる中での少女たちのすれ違い、悩み、苦しみ、怒り、そして愛情――。
その果てにある「予想外の真相」とは……。

 

感想

百合作品によくありそうな女学校という舞台、更に生徒会のいざこざなど鉄板要素に加えミステリーの要素を掛け合わせた作品。

RPG系統のゲームしかほとんどやったことないんですが、擬似的に百合とミステリーを融合させた一本のゲームシナリオを楽しんでるような感覚でした。

主人公である染井佳乃に加え、今回のメインヒロインはダウナー感がありつつもちょっとツンデレな白根葵。個人的には佳乃を姫呼ばわりしている顔性格イケメンな僕っ子の凪を推したいなーと思っていたので、おまけの話は有り難かった(笑)。(基本的に主人公受け派なので…)

百合とミステリーを良い塩梅で掛け合わせた今作品は、ミステリー特有の頭がこんがらがる現象も特になく読みやすかったです。また、百合要素もちゃんと練り込んでありますので百合好きなら楽しめること請負です。

 

05.リトルパラディン

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☆あらすじ

「あなたをお探ししていました。どうか私達をお導きください、シャルロットさん……いいえ、シャルロット団長!」
「……は? ……はぁぁぁぁ!?」
シャルロット・リンドベルは辺境の村で暮らす猟師の娘であった。
村の寺子屋で同世代の子供たちと勉強をし、放課後は父親と狩りにでかける。そんな、当たり前の日常を謳歌していた。
だがある日、村に運び込まれた聖剣の継承者に選ばれたことで彼女の日常は終わりを告げた。
記憶を継承する聖剣『エル・ヴァース』。その力を持って戦士として覚醒したシャルロットは巨大人型兵器『機装兵』を駆り騎士団長となった。

まわりは大人ばかりの騎士団、おまけに夜な夜な聖剣にスパルタ特訓を強いられるシャルロットの運命や如何に……!?

 

感想

主人公シャルロットが幼く未熟でありながらも、誰かを守れるような存在になりたいという直向きな気持ちで戦う様に心打たれた。自分が力足らずだと自覚していながら努力を重ねるというのは中々できない人もいるので感心する。シャルロットちゃんには副団長達と共にこれからも頑張ってもらいたいものです。

起承転結がしっかりしており、かつまとまっているのでとても読みやすい作品でした。

 

余談

時間がない時にありがたい文量なので、作者さんの作品にはこれからもお世話になるかもしれない。

 

06.二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む 2 〜夢狂いの魔術師〜

https://a.co/bqb5Mfp

 

あらすじ

裏切り者に殺された記憶と共に二度目の人生を始めた海人は、思い出を穢した冒険者たち、裏切りの張本人の魔術師ユーミスと出会う。彼女らを地獄へ叩き落とすため海人は動き出した。

 

感想

復讐モノは爽快感がウリで、一定の支持が浴びますよね。回復術士のやり直しもアニメ化しているので6話あたりまで見たのですが主人公が壮絶な過去により人格が破綻してました。その点、この作品も主人公半壊してると思います。

やり過ぎとぬる過ぎ、それか良心と復讐心の揺らぎなどこの手の作品はそこら辺の匙加減が難しいと感じます。書き手の技量が求められるジャンルですね…。

中盤以降は復讐相手の妹キャラが登場し、3巻への繋ぎになります。これがまた続きが気になる構成でした。

 

07.ヴィヨンの妻

☆概要

無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の短編小説。初出は「展望」[1947(昭和22)年]。泥酔状態で帰り、借金を作ってくる大谷を夫に持つ「私」が、大谷が泥棒を働いた椿屋で働くようになるという話。戦後の太宰文学を代表する作品のひとつで、太宰とイメージが重なる大谷と、妻の「私」の繊細な関係が見事に描かれている。

 

感想

不甲斐ない夫を愛しながらも、したたかに生きる女性の話。

太宰さんの書く女性は暗澹としたものを抱え込みながらもどこか割り切ったような感じで、描写が巧みです。

中盤以降、主人公さっちゃんが多くの人々と接するようになり社会の闇に溶け込んでいきます。

そうして彼女が最後に言い放った言葉はその時代の世そのものを体現しているもので秀逸です。

 

08.呪印の女剣士 1

☆あらすじ

魔術士が忌避される時代。フルグンド王国を旅する女魔術剣士アルフィリースは、自らの生い立ちから「誰かを救える人になりたい」と志していた。
だが魔術を操る者は、傭兵ギルドですら敬遠されてしまう。もし旅仲間を得られても、腕の『呪印』を見られてしまったら――
ある日、そんな彼女を“友達”とみなす腐れ縁の酔いどれシスター・アノルンと再会し、仲間を集い、復活した魔王の討伐に向かうことになり――
圧倒的絶望が彼女たちを襲うときアルフィリースの右腕は燃え盛り、別の人格が姿を現す!

 

感想

世界観、設定、キャラ付けとどれも非の打ち所がない作品です。異世界に転生もせず、無双しすぎることもなくハーレムもありません。そこにあるのはかっこよくかっこわるく愛らしい女剣士達です。

主人公とその仲間達はほぼ女性です。ですが百合ではなく友情と銘打ってますし、なんなら異性にプロポーズもされてます。序盤中盤あたりは主人公がいじられてて気の毒に思えるところですが、実は…本心では信頼を寄せていることが後でちゃんと分かります。登場人物達の過去が語られるシーンが多く、サイトでは10年も連載が続いていることから、彼女らの旅もまだまだ序章に過ぎないでしょうね。

 

余談

無双ではないが主人公がらしく魅力で惹きつけているのが良い。 

ファンタジーで転生テンプレ読みたくない人はこの作品を勧めたいところ。

媚びるところがほとんど見当たらない中で(宣伝もしてなかったらしい)支持を得たのは間違いなく実力によるものではないかと私は思います。10年も描き続けるのもスゲエ。

 

09.異世界は思ったよりも俺に優しい? 1

☆あらすじ

物語の主人公に憧れる少年・アキトは、ある日突然異世界の公爵令嬢・リゼットの「わたしを助けて」という願いを受け、彼女の召喚魔法に身を任せる。
だが、彼を待っていたのはおびただしい死体の山に凶悪な魔物。
想像以上に冒険は厳しい──と思いきや、善き冒険者たちとの出会いが、アキトの運命を変えていく!
行方不明のリゼットとの再会を夢見て、少年はかけがえのない仲間達と試練に立ち向かう、ほんのりサバイバル・ファンタジー

 

感想

「環境はそれなりに厳しいが、人々は優しい異世界」というのが適切だろうというのが所感。

良作だとは思うのだが、タイトルで損している気はする。確かに主人公アキトの元に集まる仲間達は人柄が良く、それが恩恵に繋がっている。しかしながら冒険者として食い物に困らぬようやりくりせねばならなかったり、魔物と戦うのに窮地に追い込まれかけたり…とヌルゲー的な意味の優しさはない。(易しくはないとも言えるか)

とはいえ、個人的にはいきなり美少女が登場するとかはなくアキトとリデルで活動してたのが良かった。(男の友情を描ける作品は良作説)

女の子キャラとの距離感もがっつき過ぎなくて好印象。アキトは人間離れ感がなくて共感しやすい部類です。

 

余談

良作でも打ち切られてしまうことがあるのが世知辛いです。

 

10.転生したら剣でした 1

☆あらすじ

気がつくと異世界に転生していた。普通の人間としてではなく、剣として。
さらに周りを見渡せば、魔物が闊歩する危険な草原地帯。身の危険を感じた主人公は自分の体を浮かせる能力を駆使して魔物を狩っていく。
そんな折、休憩として地面に刺さった瞬間、能力が発動しなくなり動かなくなってしまう。
途方に暮れる主人公の前に、奴隷姿の猫耳少女が突如として現れるのだが……。

 

感想

主人公が剣なのでバトルジャンキーに度が過ぎても理にかなっていて違和感がない。

主人公・師匠と猫耳のフランもかなりの実力者として評価されることになるが、それもまだ大規模な無双っぷりにまでは至っていない。まだまだ成長の予感を感じさせる。

師匠、フランとの関係性はまさに師弟か父と娘のような感じ。露骨な性描写などとは疎遠であり不快感がない。よって、男女ともに楽しめるのでは。更に軽快なノリで進行していくのでとても読みやすい。なろう系入門としても良さげではなかろうか。

ただ、バトル描写はややゲーム寄りなので臨場感や迫力に欠けるかもしれない。

 

余談

鑑定という定番スキルの関係もありステータス画面のページは多めである。

10巻以上続いているあたり、アニメ化も視野に入りそうだ。

 

11.治療魔法の間違った使い方 〜戦場を駆ける回復要員〜 1

☆あらすじ

平凡な高校生のウサトは、帰り道に偶然出会った生徒会長のスズネ、クラスメイトのカズキと共に、突如現れた魔方陣に飲み込まれ、異世界へと転移してしまう。
三人は魔王軍から王国を救うための『勇者』として喚び出された――が、勇者としての適性を持つのはスズネとカズキだけ。ウサトはただ巻き込まれただけだった!
しかし、ウサトにレア属性の『治癒魔法使い』の素養が見つかったことで事態は一変。救命団団長を名乗る女性、ローズに拉致され、強制的に救命団に加入させられてしまう。
そこでウサトを待っていたのはコワモテの同僚たち、そして「治癒魔法の間違った使い方」を駆使した地獄の訓練の日々だった――。

 

感想

巻き込まれて召喚されたという事実にもめげずに堅実に努力を重ねる主人公。平凡…と思いきやかなりの負けず嫌いを発動し環境に順応していくお話。

構成は結構王道に沿っていると感じた。無双やチート展開もなく、訓練や試練に立ち向かい人間関係もきちんと描かれている。嫌味のない主人公なのでスラスラと読み進められる。ヒロインキャラも結構面白い性格してるのでキャラが立ってる。勿論、努力できちんと成果を得られるタイプなのでテンポも悪くなくなろうっぽさもある。

 

余談

主人公の日記に割とページを取られているが、流れが分かりやすいのは確かである。

 

12.乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル 1

☆あらすじ

剣と魔法の世界シエルで孤児として生きていた少女アーリシア。
ある日、彼女は自分が“乙女ゲームのヒロイン”であると知ってしまう。両親の死さえ単にストーリーの一部だったのだ。アーリシアはヒロインの役割を「くだらない」と一刀両断すると、冒険者『アリア』を名乗り、次第に複数の武器と魔法を操る「殺戮(さつりく)の灰かぶり姫」へと成長していく! だが、“悪役令嬢”の護衛依頼を受けたことで、気付かぬ間に貴族同士が争うゲームの舞台に巻き込まれていき――? 

 

感想

殺伐とした世界を生き抜こうと戦う少女の話。擬似転生という新しいタイプで、主人公は乙女ゲーの悪役令嬢でもなく正ヒロイン。タイトルの通りにサバイバルしつつ、凄惨な運命に争っていく主人公の姿はかっこよくて惚れちゃいそうになる。

乙女ゲーとはいうが主人公が子供かつ鈍感ということもあり攻略対象とのフラグは立たない。それどころか王女と運命の出会いを果たしており、媚びない感じ(イケメンとの絡みだらけじゃないので)が自分には合ってます。

 

余談

読者が求めてるものと、作者が書きたいものとどちらを取るか…これは物書きの課題ですね。

 

13.治癒魔法の間違った使い方 2-3

☆あらすじ

(2巻)

救命団での訓練を生かし、戦場で怪我人たちを治療していくウサト。だが、勇者として同じ戦場に立つスズネとカズキは立ちふさがる魔王軍の黒騎士になすすべもない。二人に迫る凶刃――ウサトの治療は間に合うか!?

 

(3巻)

魔導都市ルクヴィスを訪れたウサトは、治癒魔法使いの少年・ナックと出会う。街で理不尽な扱いを受けていたナックを見かねたウサトは、現状を打破すべく、心を鬼にしてローズ直伝の訓練法で彼を鍛え上げるのだった。

 

感想

面白くてつい2巻分読んでしまった。(エリィゴールデン以来です)

ウサトは間違いなく自称平凡の皮を被った変人だと思いました。変人といえば、相変わらず犬上先輩のキャラも立ってて面白い。ベクトルの違う変人同士の二人ですが、だからこそ相性が良いのかも(笑)。

治癒魔法使いが強い!というギャップは勿論のこと、ストーリーが王道を守りつつご都合展開も少ないなどの要素が合わさったからこその面白さです。

 

余談

全巻読むなら4巻以降も読めるbookwalkerのみになります。

 

14.治癒魔法の間違った使い方 4-5

☆あらすじ

4巻

魔導都市ルクヴィスを発ったウサトたちは、次の目的地へ向かう道中でゾンビに襲われていた少女を助ける。ネアと名乗るその少女は、ウサトに「村を助けてほしい」と懇願する。果たして村を襲う驚異の正体とは――!?

5巻

書状渡しの旅の途中で助けた少女・ネアに嵌められたウサトたち。襲い掛かるゾンビをものともしないウサトに対し、ネアは古の魔物・邪竜を蘇らせる。戦いの末、追い詰められたネアが選んだとんでもない行動とは!?

 

感想

犬上先輩にとどまらず、ネアのキャラも濃い目で賑やかになってまいりました。

旅をして各地を回る、という展開は定番であるからこそ面白く書いて読者を飽きさせない工夫が欲しいんじゃないかなと私は考えていますが…この作品は良いですね、次に何が待ち受けているのかワクワクします。また、閑話としてメインのウサト達の話に加え、ローズやナック達の視点も楽しめます。

ローズさんは怖いんですが、師匠キャラとしてウサト達のことを考えているのが分かるので自分は好きですね。ローズさんの過去話は必読かなと。

 

15.その最強、神の依頼で異世界へ 1

☆あらすじ

異世界の謎を追ってほしい」。神の依頼で召喚されたハイスペック少年が、異世界で仲間と出会いながら成長していく物語。

幼い頃に両親を亡くし、施設で育ってきた櫻井春澄。
実の祖父のように慕う師範に武術を教えられて育ってきた。
現実世界では武術を極め、仮想世界のゲームでも
最大レベルまで自身のキャラクターを高めてしまう程、強さを身につける。
ある日、突如現れた魔法陣に抵抗虚しく吸い込まれる春澄。
異世界への召喚途中、世界の管理者と名乗る
神のような存在に引き止められ、とある依頼をされる。
師範のことが気掛かりだった春澄は非常に悩みつつも、
異世界へ行くことを決意する―――。
これは、他人に興味の無かった春澄が異世界で、仲間を見つけ、
感情の変化に戸惑いつつも、ゆっくりと他人を受け入れていく物語である。

 

感想

主人公春澄の内面を掘り下げつつも、物語の進行自体はトントン拍子に近い。春澄があっけなく最強に仕立て上げられているため苦労とかはほぼないのでストレスフリーではある。彼の仲間となるキャラクターについて深く語られるのはこれからといったところだろう。戦闘、冒険者としての生活やどうやりくりしていうかというよりも、あらすじにある通り、主人公の強さや性格が周囲に与える影響や彼の変化を描いていくことが主体となっているのだろう。

 

余談

一つのテーマに力を注ぐのも一つのやり方ではあるが、他がおざなり(欠かさない要素であれば尚更)だと目につきやすいのも事実であろう。

ところで主人公が男の場合、メインキャラが女性一色なんてことはよくあるのですがそんな中で男メインにキャラがいると嬉しくなります。(逆も然り)

 

16.治癒魔法の間違った使い方 6-7

☆あらすじ

6巻

サマリアールへ入ったウサトたちだったが、街中でアマコとネアが突如行方不明に。ウサトは仲間を心配しつつも、まずは書状を渡すべく王に会いに行くが、そこでとんでもない交換条件を提示されてしまう。

7巻

次なる目的地、水上都市ミアラークへ向かうウサト一行。その国を越えればアマコの母親がいる獣人の国まであと一歩だが、竜の力で暴走する男カロンが行く手を阻む。カロンに対抗すべく、ウサトが手に入れた武器とは。

 

感想

ウサトは師匠ローズの存在や新たに登場した敵に苦戦を強いられたりとまだ成長の余地がある模様。

最強で振り切っているよりかは、成長が感じられるキャラの方が応援したくなりますし、好感が持てます。そしてやはり現地ヒロインはウサトに惚れていた…が、納得の活躍ぶりなので文句はない。とりあえず犬上先輩は恋敵増えてますけど頑張ってください(笑)。

 

余談

今のところ王様女王様に悪キャラおらんの意外だな…。

 

17.人間不信の冒険者たちが世界を救うようです 1

☆あらすじ

最高のパーティーメンバーは、人間不信の冒険者!?

その日、歴戦の冒険者パーティーに所属していたニックは、父のように慕っていたリーダーから追放を言い渡された。だらしない仲間たちのため、金勘定や知識面などで彼らを支えていたにもかかわらず、横領の濡れ衣を着せられて。
恋人にもフラれ、すっかり落ちぶれてしまったニックだったが、偶然にも酒場で相席になった元貴族令嬢、破門神官、女竜戦士と意気投合する。
三人もまた誰かに裏切られて、人を信じられなくなった冒険者たちだったのだ!
誰も信じられない者同士だからこそ、共にやっていけると考えたニックたちは、生き残っていくために冒険者パーティーを結成する。
「それじゃあ、オレたちはこれから【サバイバーズ】ってことでどうだ?」
人間不信の冒険者たちが、最強のパーティーとして歩む冒険譚、ここに開幕!

 

感想

テーマ性が明瞭というか、読んでいて分かりやすい作品ってあんまりなかったんですけど、この作品は信頼、絆に重きを置いているのがありありと伝わってきます。

それでいてシリアスに寄りすぎず、キャラの個性がコミカルを引き出していてバランスが良い感じ。

自分自身ギャンブルや風俗は忌避しているので気にならないと言えば嘘になりますが…主人公を始めとしたパーティ四人組は皆人間に裏切られており、零落したり自棄になってしまったという経緯を踏まえてしまうと嫌いになれないんですよね…。

絶妙な匙加減、というべきでしょうか完全にピュアなキャラはいません。ですが、悪には染まらないあたり、良心は確かに生きてる。裏切られてきたからこそ本当に信じるということができるキャラ達なんですよね。そこら辺の心理描写に関しては今後竜人娘以外にも描かれるといいですねぇ。

 

余談

キャラが好きになれるかどうかが肝——どの作品にも言えることだが、ストーリーが面白くてもキャラに魅力がなければor好きになれないともなると続刊を手に取る気にはならないだろう。こればかりは相性だと思う。

ところでコミック版は女性キャラの身体ラインが強調されており(絵師さんがその手で活動されているので当然ではある)好みが分かれそう。

結構なスピードでアニメ化決定した作品。

 

18.私はサキュバスじゃありません 1-2

☆あらすじ

「勇者様、パンツくださいっ!」 清楚で純朴な美少女の正体はサキュバスだった!?己のエッチな衝動と戦う勘違いラブコメディ!

ある学院にリズという少女がいた。
リズは成績優秀で品行方正、心優しく誰からも尊敬されている人物だった。
ある日、リズが通う学院に、長旅の傷を癒すために勇者一行が編入することになった。
出迎えたリズは勇者に思わず見とれてしまい、気がつくとこう言っていた。
「パンツくださいっ……!」
リズにはとある秘密があった。
彼女はかつて、勇者の仲間の一人だったのだ。
しかし、強大な敵と戦った際に記憶も力も失ってしまったリズは、
何もかも忘れて普通の人間として生活を送っていた。
リズの失った力――それは、色欲の淫魔サキュバスの力だった。(1巻)

 

感想

勇者も強いんだろうが、無双していたのはサキュバス娘だった…。といえばバトルものを期待するだろうが、サキュバスなのでエロで無双します。

勇者(男)が本命だから女の子同士はノーカン!という価値観ですが、ギャグ要素が強いので気にしないが勝ちなとこある。…ので、基本主人公リゼはエロなら女の子相手に行使していくスタイルかと。しかも記憶をなくしているので、無自覚にやってしまう。

実を言うとアホエロといいますか、エロを絡めたギャグモノを百合やBLで前々から書きたいなーと思っていたのでこの作品に出会えて良かったと思ってます。

細かいことを気にせず笑っていられる作品は、時に薬にもなりますね…。

 

余談

こういったスタイルの作品は世界観はあまり深く掘り下げない感じなのかな。

勇者はいるけど学園、はまあ貴族が通う学校的なものなのであり得ますが、就職とか中卒がどうこうみたいなくだりや林間学校というワードなど現代に近い要素が散見されるが…。

 

19.治癒魔法の間違った使い方 8

☆あらすじ

超個性的パーティ総動員! アマコの母親を救い出せ!!

ついに旅の最終目的地、獣人の国へやってきたウサト一行。
長年人間に虐げられた歴史を持ち、人間を激しく憎む獣人達が住まうこの国で、ウサトはかつてアマコと交わした約束、『眠りから覚めないアマコの母親を助ける』という大切な目的を果たさなければならないのだった。
ところが、獣人達も決して歓迎ムードではなかったが、思いのほか簡単にウサトはアマコの母親・カノコが眠る部屋へと案内される。そこでウサトはカノコへ治癒魔法を施すが、思いもよらない秘密が彼女には隠されていた。
カノコが目を覚まさない本当の理由、捕らえられたアマコ、人間に牙をむく獣人、そして突然現れた魔王軍の軍団長――ウサトに降りかかる火の粉は、もはや災害レベル!?

 

感想

王様女王様に悪人がいなかったのは意図的なものだった模様。獣人にも恐れられるウサトさんパねえっす…。ウサトとアマコ・ネア・アルク・ブルリンの組み合わせもすっかり板についてますね。アルクさんの活躍シーンもあって良かった。アマコは長らくウサトと同行していましたね…ラノベの定番であるケモとロリの融合キャラに収まらず、かといってそこまで媚びたキャラでもなく、ウサトや仲間達を大切にできる良い子。フラグは…頑張れ。

勿論ネア達も同じくらい好きです。性根の腐ったキャラが少ないのもこの作品の魅力ですね。

 

余談

ここまで主人公のキャラが光ってる作品も体感的に案外ないように感じる。それともまだ出会えてないだけなのか…。

 

20.治癒魔法の間違った使い方 9

☆あらすじ

リングル王国へと帰ってきたウサトは、来たるべき鬼の救命団団長、ローズとの実戦訓練を控え、一層鍛錬に励んでいた。
そんな中、ウサト達が魔王軍の脅威を伝え共闘を呼び掛けた各国の代表が、学園都市ルクヴィスに集まり会談を開くことに。
ウサトはリングル王国の代表として、その会談に出席することとなるが、その前にローズから救命団の副団長という肩書を与えられる。
より重い責任をもってルクヴィスを訪れたウサト達を待っていたのは、懐かしい面々と、これまた個性的な国の代表者たち。
静かに忍び寄る魔王軍に対し、果たして各国の足並みは揃うのか――。

 

感想

箸休めの巻。相変わらずウサトはぶっ飛んでますが、全体の雰囲気は比較的和やかめなので穏やかな心持ちで楽しめました。

とはいえ旅で会ってきた面々に加えて新キャラとの交流、更にはローズとの戦いや、新たな課題、次巻が気になる幕引きなど様々な要素が詰まってますので必読ではありますね。

また、サブキャラの掘り下げが丁寧な部類に感じた。ちゃんと再登場させてあげるスタンスなんですね。

 

21.転生少女の履歴書 1

☆あらすじ

転生したけど貧農だった! ? 貴族、山賊、魔法使いのために前世の知識を生かして大活躍! !

勉強、スポーツ、芸術、あらゆる分野で優秀な成績を修めていた少女は、親の愛に恵まれずに不慮の事故でその人生を終える。
転生先は、ろくに畑の知識もなく、魚を捕まえる術さえしらない農民達が暮らす開拓村。
その村の6人兄弟の末娘としてリョウと名づけられる。
あまりにも極貧な生活のため、身売りされないため、飢え死にしないため、
また、前世では得られなかった親の愛を求めて、前世の知識を生かして、テンション高めで村の改革に奔走する。
リョウの活躍で、とりあえず飢え死には免れたと思ったところに、魔法使い達がやってくる。
リョウは魔法を目の当たりにし、ここが魔法という超自然現象が存在する異世界だと知る。
魔法使いが絶対の支配階級である異世界で、リョウは前世の知識や技術を役立たせながら、
農家、貴族の小間使い、山賊……居場所を転々としていく―――。

 

感想

想定以上に波瀾万丈な運命を辿っていく主人公のリョウ。転生前のスペックが高く機知にも富むため生存能力は申し分ないのだが、彼女が求めるのは家族の愛だった。農村から始まり貴族に雇われるなど様々な場所を点々とする中でリョウの中に大きな感情が渦巻いているのがよく分かります。

母性って、女性だけにあるものじゃないんだよな。あるとも限らないし。砕けた文体ではありますが、心の機微がよく伝わってくる描写が良かったです。

 

余談

自分にとって当たり前にあるものが他の人にはない…時代が変わっても心の隙間は生まれるものです。

 

22.転生少女の履歴書 2-3

☆あらすじ

今度は伯爵家の養女に! 元・貧農&小間使い&山賊の使い走りが、貴族の学校で大暴れ!?

伯爵家の養女に迎えられたリョウは、貴族の学校へ入学する。
学校では、昔小間使いとして仕えていたレインフォレスト伯爵家の
兄弟カイン・アランと再会。
二人との再会に喜ぶも、子分でもあるアランがリョウを心配しすぎるが故に様子がおかしいことに頭を悩ませ、リョウは一計を案じる。
一方、学校に入学したからには、友達を作りたいと意気込むリョウ。
しかし、特殊な境遇で学園に入学していることで周りの生徒からは警戒され、
リョウと関わろうとする女生徒はごく少数だったが―――。
学園では、子分の面倒に、友達作りに、図書館通い……盛りだくさんな毎日。
そして、長期休みに入れば領地に帰って領地経営のお手伝いと、
大忙しのリョウの学園生活が始まる。(2巻)

今度はデモ活動、ドッジボールの普及、商会の設立、闇取引……!?元・女子高生は異世界でどこへ向かうのか?

リョウは王立学校に入学して2年目を迎えていた。
魔法使いではない生徒にも魔法に関する書物を
閲覧する権利を求めて、デモ活動に力を入れるリョウ。
ドッジボールを広め、社交場を作ることで、
様々な生徒から署名を得ていた。
だが、学園で最も権力のある生徒、ヘンリー王弟と
思わぬところで遭遇したことで、魔法使いや王族に
対して複雑な思いを抱くようになる。
また、嘆願書を通すために、自分の立場向上をはかるリョウは、
自分の商会を作る。
しかし、ある日、腐死精霊使いでもあるシャルロットの魔法を見て、
とある物の作成を思いつくのだが────。(3巻)

 

感想

この作品、結構中性的な見た目のキャラ多い(絵師さんの絵柄によるものだろうけど)。

転々としていた波乱の日々は鳴りを潜め、学園生活が綴られております。とはいえそこでも平穏とはいかず、魔法使い側とそうでない側の確執を基盤に問題がいくつか。主人公リョウが奔走することでマイナスだった人間関係に良い変化が起きていきます。

コミカルと心情を描くバランスが良く終始楽しんで読めました。

アランは所謂メインの攻略対象みたいなキャラなのか、出番は多め。チョロインの男版のようなキャラで詳しくは伏せるが面白い奴である。

 

余談

Amazonのレビューなんかだと賛否両論感ありますけど、自分は好きな作品ですけどね。異世界ビジネスも取り入れてて良き。

 

23.治癒魔法の間違った使い方 10

☆あらすじ

魔王軍に動きありとの報を受け、ウサトは会談が行われていたルクヴィスから急遽リングル王国へ帰還する。
救命団に戻ったウサトは、来たる戦争を前に、元魔王軍所属のフェルムに身の振り方を提案するが、彼女の答えは意外なものだった。
そして、ついに迎えた開戦。前回の戦争では前線に出なかった軍団長も集結してさらに戦力を上げた魔王軍に対し、リングル王国軍は同盟を結んだ各国の兵士たちや、幻惑魔法を持つエルフの少女フラナ、さらに勇者カズキとスズネを陣頭において迎え撃つ。
両軍総力戦とあって負傷者が続出する戦場を、救命団副団長として大きく成長したウサトが縦横無尽に駆け回る!

 

感想

とりあえず出しただけかと思われたキャラにちゃんと役割があるの良い。魔族対人間達、という事で壮絶な戦いが描かれるかと思いきや、ちゃんとコミカル加減を保っている。ウサトが造形も人間離れしつつあるが、それもそれでぶっ飛んでいて笑えちゃう。ラストスパートまで来ていますが、どうなっていくのか目が離せませんね。

 

余談

中々最終巻に至るまで読み切れる作品がない(金銭的な意味以外も含む)ので嬉しい。

 

24.転生少女の履歴書 4-5

☆あらすじ

今度は魔物に立ち向かう!元・貧農&小間使い&山賊の使い走りが、学園を魔の手から救う!?

リョウが学園に入学して、早くも4年が過ぎた。
友人も多くでき、商人としても成功しつつ、順風満帆な日々。
ある日、大雨の影響で、魔物から国を守っていた結界が壊されてしまう。
結界から出てきた魔物達が、リョウ達が過ごす学園を襲う。
避難場所である講堂へ向かい、他の生徒や先生と合流すると、
シャルロットがいないことに気付く。
リョウ、アラン、リッツ、カテリーナ、サロメの5人は、
シャルロットを救うために魔物がいる講堂の外へ出ることを決意するのだが―――。(4巻)

 

魔物から領地を守れ!王家の秘密とは?転生したハイスペック女子高生が治癒魔法で大活躍!

結界が破れ、魔物が押し寄せるという王都の危機を無事に乗り切ったリョウ。
しかし結界が破られたのは、王都周辺だけではなかった。
王国全土に及んでいたのだ。
リョウや学園の生徒たちはそれぞれの領地を守るために学園から旅立つことに。
その道中でも魔物に襲われ、治癒魔法が使えるリョウは捨て身の攻撃で魔物を撃退していく。
しかし、魔物が出るたびに無茶な戦い方をするリョウに、コウキは疑問を覚える。
何か隠し事があるのではないかとリョウに問うコウキ。
王家が隠しているかもしれない魔法の秘密を知ってしまったリョウ。
そのことで押しつぶされそうになっていた心のうちを、リョウはコウキに打ち明けるのだった。(5巻)

 

感想

魔法関係に進展が見られ、目が離せない展開になってきました。リョウは基本スーパーカリスマハイスペックガールといったところですが、コウママに対しては年相応の娘の一面を見せたりと人間臭さも魅力のひとつだと感じます。

前々巻あたりから若干百合の波動を感じていたましたが…リョウに関しては女の子にもモテるので新たなフラグが(笑)。

アランは相変わらず恋愛対象として見られていませんね…なんか可哀想に見えてきますw

 

25.治癒魔法の間違った使い方 11

☆あらすじ

激化していく魔王軍との戦いの中、ウサトは救命団として傷ついた味方を助けつつ、常識破りの戦法を用いて敵の軍団長を捕獲するなど、八面六臂の活躍を見せる。
そして勇者として戦線に立つカズキ、スズネも強力な武具を手に入れ、戦況は一気に連合軍に傾くかと思われたが、敵の総大将である魔王が動き始めたことで状況は一変してしまう。
直々に戦場へ現れた魔王に立ち向かうウサト達だったが、魔王の繰り出す強力な魔術の前になすすべなく、苦戦を強いられる。
絶体絶命かと思われたが、魔王は突如“余興”と称してウサト達に幻を見せる。
それは、遥か昔にこの世界に召喚された先代の『勇者』の記録。先代勇者の辿った数奇な運命と、魔王の思惑――ウサト達は、大きな決断を迫られるのだった。

 

感想

ウェブ版とは異なった展開の書籍版。

作者さんもあとがきで書かれていましたがウサトのメンタル強い。それなりに悩む事はあるけれど、ちゃんと自分で決めて前進していくその姿勢には好感しかない。11巻では先代勇者達の隠された内情が明らかになります。時代の移り変わりは、人の心のあり方も変えてしまうこともあるのでしょうね。

最終巻の手前に来ても全く読む手を止めるような展開がなく、良い作品だなあとつくづく思いました。

 

26.転生少女の履歴書 6-7

☆あらすじ
王都では「勝利の女神」と噂される活躍をしたリョウ。魔物対策に領地に送った品とは? そして新たな目標も?

結界の崩壊で王国全土が混乱に陥っていた。
だが、ルビーフォルン領では、今まで行っていた領地政策や
タゴサクが広めていたウ・ヨーリの教えが浸透していたことで、
魔物の被害を最小限に抑えることができていた。
ビーフォルン領内の混乱が落ち着いてきたのを見計らって、
アレクから託された『神殺しの剣』を持ってバッシュのもとに戻ることにしたリョウ。
魔物の対策としてマッチが有効であると実感したリョウは、
改めて白カラス商会を使って他領地にマッチを送り届ける手配を進める。
白カラス商会の人員を増やし、道を整え、マッチ等の配給が他領地にも行きわたり
王国を揺るがす魔物の災害が落ち着き始めた頃、王都からとある商人がやってくる――。(6巻)

 

有力な領主に反乱の兆し!? 王都の英雄になったハイスペック少女が友人を救うために奔走する!

結界の崩壊後、なかなかグエンナーシス領から戻ってこなかった
カテリーナが王都に帰還し、リョウ達は再会を喜んだ。
しかし、周囲には常に護衛がつきまとうようになり、
どこか思いつめた様子のカテリーナ。
グエンナーシス領では、先の災害の際に活躍し、
英雄視されているアレクサンダーという男がいるのだという。
アレクサンダーこそ、リョウが山賊時代に世話になっていた親分。
魔法使い至上主義を嫌っていた親分が、
この機会に国から離反しようとしているのではないかと推測し、
リョウはカテリーナとグエンナーシス伯爵の動向を探るのだが――。(7巻)

 

感想

着々と増えゆくリョウ信者達…。リョウが一巻から出会ってきた人たちの繋がりが物語に波乱を呼び込んでいきます。

魔法という要素は焦点を当てればいかに向き合っていくかどうかというのも重要なテーマになってくる。ファンタジー系統の醍醐味ともいえよう。

相変わらずアランは不憫だがなくてはならない存在になりつつある感。そしてヘレン王子は行動の意味が謎すぎる。まだまだ先が気になる展開です…。

 

27.治癒魔法の間違った使い方 12

☆あらすじ

魔王を倒し、ついに戦争を終結させたウサト達。
平和な世界を取り戻すことはできたが、ウサト達は悶々とした日々を過ごす。
その原因は、魔王が敗北宣言と共にウサトに託した『スクロール』という、元の世界に帰る事ができるアイテムだった。
『勇者召喚』によって呼び出された理由である“魔王を倒す”という目的を果たしてしまったウサト達ではあるが、この世界で出会った人々との縁も簡単には切れないもの。だが、『スクロール』には使用期限があり、彼らはいつまでも悩んでいるわけにはいかなかった。
そんなウサトを見かねたローズの提案で、ウサトは救命団員全員と話し合い、それぞれの意見をもらう事に。そして、ついに出したウサトの結論とは――!?

 

感想

エタることなくきっちり完結。この作品は異世界もので食傷気味になりやすい男1女複数ハーレム展開やラブコメ要素がライトなのでそれだけでもポイントが高かった。その上いきなり無双やチートということもなく、主人公が努力を重ねて強くなるスタイル。テンポも良く、軽快なノリも合わせて楽しい作品でした。それでいて心身ともに成長する姿もきっちり描いてるので文句の付け所がございません。

なによりも主人公ウサトが凡人かと思いきや作品を語る上で欠かせない変人だったのが面白い。

終わってしまうのも寂しくはありますがなろうでは展開が変わりまだ続いているのと、書籍版は書籍版で綺麗に終わってるのでとても満足です。

 

余談

アニメが楽しみなんですが二クールくらいやってくれないかな…。原作から逸脱せず作画が平均かそれ以上であることを祈る。

読み放題期限が月末なのでこのペースになりました。

 

28.転生少女の履歴書 8-10

☆あらすじ

学園卒業! 盗賊退治、クーデター、そして王子と…!? 新たな道を歩みだしたリョウの身に最大の試練が訪れる!


リョウたちは学園を卒業し、長かった学生生活も遂に終わりを迎えることになった。
学園で知り合った人たちとの別れを惜しみつつ、
領地に戻ったり、騎士になったりと、それぞれが新たな道を歩みだしていった。
リョウは白カラス商会の活動に本格的に力を入れていくのだが、
ある日、盗賊団に荷物が奪われてしまったと報告が入る。
聞けば近頃、生活用品を乗せた荷馬車が多く被害にあっているようで、
盗賊団の退治に乗り出すことになった。
アジトに辿り着いたリョウたちは、
リーダー格の男一人を捕まえることで穏便に済まそうと交渉していると、
血相を変えた男が村に戻ってきた。
その男は間違って魔法使いが乗った馬車を襲ってしまったと言うのだが――。(8巻)

 

 

ゲスな王子との婚約者生活!? 派閥争いに、政治に、そして恋に…? 王宮生活は波乱万丈!

暴動を起こしかけたウ・ヨーリ教徒を見た王家は、
リョウの影響力を利用するために、ヘンリー王子の婚約者となるように命令した。
魔法使い以外の人間を人間とも思わない
ゲス王子との婚約に不安を抱いたリョウだったが、
家畜扱いが逆に幸いして貞操の危機を脱したリョウは、
王族としての立場を使って、たくましく活動し始める。
国政に口が出せるように評議会入りを目指すのだが、
非魔法使いの立場は微妙なもので、もどかしい日々を送る。
そんな中、とうとうヘンリーとの婚約式の日が訪れる。
美しいドレスで着飾り民衆の前に立つと、
集まった人々は歓喜の声をあげて大騒ぎ。
その様子を見て、やはり家畜だと見下すヘンリーに、彼らも同じ人間なのだと諭すのだが――。(9巻)

 

ヘンリー殿下の婚約者となったリョウ。
各地への挨拶周りの道中、何者かから命を狙われてしまう。
黒幕を推測して落ち込んでしまうが、元気を取り戻す出来事も。
また、リョウのためにヘンリーが護衛を呼んでいて、
その中には懐かしい顔ぶれがあって、リョウもほっとする。
しかし、様子のおかしいヘンリー殿下や、
カインとの関係もギクシャクするなど、
新たな火種がリョウを悩ませることに――。(10巻)

 

感想

色々な意味でエレベーターの如くランクが上がっていくリョウ。本人が望んでも望まなくてもややこしい問題に巻き込まれていくが、持ち前の機転を利かしカリスマ性でこれまでに増えてきた仲間たちの力を借りて奮闘中といったところ。

個人的には生物魔法関係の秘密が気になって仕方がないので読むスピードが上がってしまう(その分文を読み逃してしまうので気をつけたい)。作者さんがミステリー書いてるのもありそこのところの見せ方が上手いのかも。

アランは少しばかり愛が重いが、リョウを一途に思い支える姿勢は将来の旦那像としては理想なのではなかろうか…と思わなくもない。リョウからも脈アリになってきたので押せ押せ!(笑)

 

余談

11巻はまだまだ先になりそうな感じですね。クライマックスに近づいている感触もあります。

 

29.妖怪のご縁結びます。お見合い寺 天泣堂 1

☆あらすじ

人々から恐れられ、あがめられていた妖怪も時は平成、絶滅の危機に瀕していた――。由緒ある寺の末息子・恵留はある日、父のぎっくり腰で寺が代々請け負っている妖怪の結婚相談を代理で務めることとなる。とはいえ妖怪に関して全く無知で、補佐役の妖怪・白澤のシロにも呆れられる始末。そこで、同じ大学の美人な変わり者・軽井沢小町に助っ人を依頼することに。奥手の天狗、強面のデブ猫妖怪、束縛の激しい雪女……一筋縄ではいかない彼らの縁結びはいったいどうなる!?

 

感想

久々に現代物読むと新鮮な気分。妖怪を通じて同じ大学のクール系美少女との距離を縮めるという部分においては王道。とはいえ進展自体はまずは友達から、ということで程よい感じ。主人公の望みもはっきりと提示されているためきれいにまとまっている。

妖怪達は個性豊かではあるが抱えている悩みなんかは人間臭くて親近感が持てる。

加えて知らなかった妖怪に関することも知れるのできちんとサーチされている。

また、主人公が相手の為に献身的に動くことのできる人物なので不快感などはほとんどなかった。成長も見られるので堅実でしっかりとした作り。

 

余談

ラノベと文芸の間っぽい感じ。平穏な雰囲気のある妖怪ものも好きですね。

 

30.七姫物語 東和国秘抄 ~四季姫語り、言紡ぎの空~ 

☆概要

桁違いの嘘つきで素姓も知れない二人の若者に担がれ、国家統一を目指す都市の姫となったカラスミ。時代の流れに翻弄されながらも、自らの運命と真摯に向き合うひとりの少女の姿を描いたオリエンタルファンタジー

 

感想

和ファンタジー、とは言えども魔法とかは現時点ではなし。戦争は絡んできますが主人公の立場的に戦場に立つということはない。その点、前に読んだ星の羅針盤 サラファーンの星に近い。文体はライトノベルというほどでもなく文芸寄りだが、一人称ということもあり読みやすい部類。なので、ややこしくてもしっかり読み返せばちゃんと流れを把握することはできる。

七姫であるカラスミと武人や経済を回す担い手をやってる二人の男との関係性がなんとも不思議。

彼らには嘘つきで演技にも抜かりないが、だからこそ上手くやってのけるという変わった特性がある。それがまた、作品の味付けとして良い仕事してる。

カラスミは素朴な少女で、彼女の視点から見える景色は、和やかさがあって良い。そんな彼女が出来事を通して強かになっていく様は不思議と爽涼な空気感を感じさせる。

個性的な作品、というのが大方の所感である。

 

余談

新装版も出るくらいには根強い人気のある作品という印象。

独特の世界観や空気感に惚れ込む人達がいるのも分かる。

 

★9月分通しての所感

bookwalkerを取り入れたことにより、シリーズ一気読みの幅が増えた。

治癒魔法の間違った使い方に出会えたのはありがたい限り。ハーレムやご都合展開などに面白みが感じられない方にこそ是非読んでいただきたい。

転生少女の履歴書に関しては、女性向け寄りではあるけれども軽快なノリが楽しい作品。魔法や精霊魔法を中心とした舞台設定も参考になった。

早く先が読みたいあまりに、今月は数巻分読んでる日があります。数が稼げたので良き。

明るい作風だと読み進められやすいとつくづく感じる。とはいえ、重厚な心理描写で展開される作品には心に染み渡るような奥深さがあるとも思うので、どちらかに偏りたくはない。

好きな作品が増えるのはほんと嬉しい限り。